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人生100年時代に、これだけは知っておきたい資産運用のキホン

みなさんこんにちは。近頃、「人生100年時代」というフレーズを見聞きする事が多くなってきたのではないでしょうか。

超高齢化社会に突入した日本では、年金受給額の引き上げや、社会保障費の削減などにより、今まで以上に資産運用の必要性が高まっています。

とは言え、資産運用の必要性は感じているけど「何となく怖い」「何から始めればよいのか分からない」といった人も多いかも知れません。

でも安心して下さい。投資や資産運用は、いくつかの原則を守る必要はあるものの、特別な知識や技術が必要なものではありません。

もちろんプロの力に頼る局面もありますが、資産運用は、基本的な原則を理解して、当たり前の事を当たり前にやる事が最も重要なのです。

今回は、投資・資産運用のについて解説すると共に、これから資産運用を始めたいという人のための具体的な実践方法について紹介していきたいと思います。

そもそも投資・資産運用とは?投機の違いは?

投資とは、ある事業が将来作りだす価値に対して、長期的な視点で資金を投じる事を指します。

一方、投機はギャンブルとほぼ同義であり、短期スパンで生じる価格差で利益を狙う事を指します。

投資と投機の間に明確な線引きはないのですが、投資の場合は、事業者がモノやサービスを作る事を通じて価値を生み出す事で、投資家にリターンが生まれる一方で、投機の場合は、モノの価値の値動きに乗じて利益を狙うため、誰かが勝てば、同じ額だけ誰かが負けるという、いわゆるゼロサムゲームだという点が違います。

とはいえ、投資も未来に期待して資金を投じるため、不確実性やリスクが伴います。目安として、年利3%以内は低リスク、年利3%~10%はミドルリスク、そして、年利10%以上の利回りの商品はハイリスクと考えてください。

また、資産運用とは、自身の資産(現金、不動産、株式、債券、暗号資産など)を運用して、その額を増やす事をいいます。その意味では、銀行預金や保険なども資産運用といえます。

投資は原則としてリスクとリターンが比例します。ローリスク・リターンを謳うような商品の広告にはくれぐれも気を付けてください。

なぜ資産運用が重要なの?

全世界で150万部をこえるベストセラーとなった21世紀の資本の著者・トーマス・ピケティは、資本主義の世界において、労働から得られる収入よりも、資本から得られる利益のほうが大きく、その差は、今後も拡大し続けると、格差の広がりに警鐘を鳴らしています。

これまで、日本では定年まで働いて、銀行に預金をし、退職金を受け取れば安泰な老後がまっているという時代が続きました。つまり、資産運用に関しては何も考えなくても人並みの幸せが手に入る社会だったのです。

しかし、終身雇用が当たり前という時代はもはやとうの昔に終わっており、年金の受給開始年齢も引き上げられ、各企業の退職金も減少傾向にあります。もうすでに、各個人がしっかりと資産運用をしないといけない時代は、到来しているのです。

先進諸国中で最下位の日本人の金融リテラシー

それでは、資産運用をする上で、日本人の金融に関する知識や理解はどれほどなのでしょうか。

金融広報中央委員会は、今年、日本人の金融リテラシー(お金の知識や判断力)の現状を把握するため、「金融リテラシー調査 2019年」を実施しました。

同調査では、金融知識全般を問うものや、老後に必要な資金、金利などに関する設問が設けられているのですが、米国と比較すると、共通問題 6 問 の正答率は、日本の方が 6%ポイント低く、英国、ドイツ、フランスと比べても正答率は下回る結果となっています。

金融リテラシー調査(2019)
金融リテラシー調査(2019)

このような結果になってしまったのには、日本において適切な教育現場において、適切な金融教育が行われていない事が原因として挙げられます。

家計管理や生活設計に関する「金融教育」については、「行うべき」 との意見は 67.2%にのぼりましたが、その中で実際に、「金融教育」を受けたことがあると回答した人の割合は8.5%でしかありませんでした。

欧米では、お金は毎日使うものなので、金融教育を通じて金融リテラシーを高める事は重要だとされている一方で、日本でほとんど金融教育が行われていないという事は、非常に危険な事だと言えます。

これは、「お金に関して子供が考えるのは卑しい事だ。」、「お金は汚いもの」と考える風習が残っているの一因にあるのかも知れません。

しかし、毎日使うものであるお金に関して、適切な教育をしない結果、日本人の金融リテラシーが先進国中最下位になっていしまい、パチンコなどのギャンブル依存症がはびこっている事は、とても残念な事です。

資産運用にはどんな種類があるの?

次に資産運用の種類について紹介したいと思います。資産運用には主に以下のようなものがあります。

【銀行預金】

銀行などの金融機関にお金を預ける事ですが、銀行はその預金を元に貸付を行ったり、資産運用を行います。銀行預金=貯金と考える方もいるかもしれませんが、銀行預金も資産運用のひとつなのです。

【債券】

国や会社が資金を集めるために発行するもので、購入するとあらかじめ決められた利子を定期的に受け取る仕組みであり、満期日を迎えると債券の額面金額が戻ってきます。債権は発行元の信用が大きければ大きいほど、リスクは小さくなります。国が発行する債券を国債、会社が発行する債券を社債と言います。

【投資信託】

運用の専門家が株式や債券などに投資をして運用する商品の事を指します。その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配され、投資信託運用会社は手数料を得ます。

【株式】

投資家は、企業に出資して株主になります。そのお金を使って企業は事業を始め、事業で得た収益を配当金として株主に還元します。加えて、その企業の成長によって株価が上昇すれば、投資家は株の売却益を得ることもできます。

【外貨預金】

ドルやユーロなど外貨建てで預金を行う事です。各国の通貨はそれぞれ別々の値動きをするので、複数の通貨で預金をする事でリスクを減らす効果が期待できます。

【不動産投資】

文字通り、利益を得ることを目的として不動産に投資することです。 アパートやマンションなどを購入して家賃収入を得たり、購入した物件の価値が上がったときに売却し、その差額で利益を得ることに加えて、家賃収入が期待できます。

【金投資】

金は、株式や債券とは独立した値動きをする事から長年、人気の投資商品となっています。日本では田中貴金属などで毎月積立で金を購入する手法が定番ですね。

【暗号資産】

ビットコインなどの暗号資産も、あらたなアセットクラスとして近年、急速に成長してきました。ひとつの国や機関が管理しておらず、供給量が限られているといった特徴を持つ暗号資産は、まだ、その評価は定まっていないものの、株式や金、国債と別の相関を描く事から、ポートフォリオの一部に組み込む人も増えています。

どのような運用をするかは、人それぞれですが、自分の人生設計に合わせてバランスよく組み合わせる事が重要になります。

資産運用の原則は、分散・長期・積立

それでは、次に資産運用を始める前に絶対に知っておきたい原則について説明していきたいと思います。資産運用の基本は、分散・長期・積立です。世界の名だたる投資家たちもこの原則に基づいて資産運用を行っているのです。分散・長期・積立とはどういう事でしょうか。それぞれ説明していきましょう。

【分散】

まずは、世界最大級の運用額を誇るノルウェーの年金基金のポートフォリオをご覧ください。

ノルウェー年金基金は、運用資産100兆円を超える世界最大級の資産運用主体であり、資産運用のプロ中のプロが運用しています。ご覧のように、資産のうち66%を株式に回しており、世界約50か国、10000銘柄以上に投資しています。一部の国や地域が不景気になり、その地域の企業の業績が不調になった時の影響を和らげるために、リスクを分散しているのです。

リスクを分散する事の重要性と説く「卵はひとつの袋にまとめるな」ということわざがありますが、資産運用に関しても同じ事が言えるのです。

【長期】

次に “長期”の資産運用について考えてみましょう。ノルウェー年金基金は、資産運用のプロ中のプロが運用していますが、運用を始めた1998年からの20年のうち5年は、マイナスとなっています。しかし、全体出みると、平均で5.5%のリターンを得ており、20年間で資産は約3倍になっています。

年単位で見ると、資産運用のプロでもマイナスになる事があるのです。そのため、資産運用は、短期で一喜一憂する事なく長期でみる事が重要なのです。

短期で、年利数十%!と謳う投資案件には、くれぐれも注意して下さい。

どんなに安全な資産でもリーマンショックのような事が起きれば価値は下がる事はあります。短期的には浮き沈みがあっても、長期で見れば安定して成長が期待出来る。そういったモノに投資して長期でコツコツと資産を増やす事が大事なのです。

伝説の投資家として知られるウォーレン・バフェットも、20年先も持ちたいと思える企業の株を買う事を推奨しており、短期保有はギャンブルだと説いてきた事で知られています。

短期で高利回り!と謳う商品はそもそも投資とは言えません。このような甘い言葉には注意してください。

積立

次に積立について考えてみましょう。積立とは、同一の商品を毎月一定額、自分の決めた値段で購入していく手法です。中長期に渡って積立投資を行う事は、時間的に分散させる事でリスクを減らす効果があります。

それでは、毎月5万円を年利3%で運用した場合の積立金額と運用成果を具体的に見てみましょう。

金融庁

年利3%の収益が期待される低リスク商品に毎月5万円積立投資をした場合、10年間で得られる運用益は98.7万円になります。当然より長期間運用すればより多くの収益が得られます。日本では老後から資産運用を始める人が多いですが、資産運用は早ければ早いほどよいのです。

金融庁のサイトでは、積立で資産運用をしたときの金額をシミュレーションを行う事が出来るので、自分の資産運用の参考にしてみると良いでしょう。

金融庁 資産運用シミュレーション

世界の常識からかけ離れた日本人の資産運用

さて、それでも投資はなんとなく危ないから、銀行に預金しておいた方が安心と考えている人も多いかも知れません。しかし、先ほど説明したように、資産運用の観点からいうと銀行預金も投資である事には変わりはなく、銀行預金に資産を集中させる事は、分散の原則に反するため、実はリスクであり、世界の常識からかけ離れた事なのです。

ここで、2019年8月29日に日本銀行調査統計局の発表した、資金循環の日米欧比較の、日本、米国、ヨーロッパの家計の金融資産構成の比較を紹介したいと思います。日本、米国、ヨーロッパの、それぞれの家計の金融資産構成比率にどのような違いがあるのでしょうか。

日本銀行調査統計局のデータを元に作成

日本人のポートフォリオは53%が銀行預金で、保険・年金が28%と続きます。株式に関しては10%しかありません。

日本銀行調査統計局のデータを元に作成

米国におけるポートフォリオは、株式が34%、銀行12.9%

日本銀行調査統計局のデータを元に作成

欧州は、保険・年金34%と多いものの、株式が18.8%であり、バランスのとれたポートフォリオと言えるでしょう。

日米欧を比較すると、日本の家計の金融資産構成は、預金と保険・年金に集中しており、分散性に乏しいと言えます。国内銀行預金は低金利な上に、年金の受給額は年々あがり続けるばかりです。資産運用の観点からいうと、銀行預金と年金に集中させる事は、決して良い事ではありません。

実際に、家計金融資産は、米国では1995年から20年間で3.2倍に増加しているのに対して、日本は、1.54倍にとどまっています。ここ20年でこれだけ資産総額に差が出てしまったという事は、驚くべき事です。

ここまで差が出てしまったのには明確な理由があります。1990年からの世界と日本のGDPを見てください。世界のGDPは過去30年で4倍近くに、増えているのにも関わらず、日本のGDPはほとんど横ばいです。経済成長率が上がれば、投資リターンも比例して大きくなるので、成長している場所やモノに投資する事は、非常に重要です。なんとなく投資が怖いと思って日本国内だけで運用していた人達は、それだけ損をしていたのです。

出典:世界銀行

世界経済が4倍近く成長している中で、日本は失われた20年を過ごしほとんど成長してきませんでした。このような状況だと、日本国内「投資をしていても限られたパイを奪い合うゲームになってしまいます。誰かが勝てば、その裏では誰かが負けるという、ゼロサムゲームの世界です。しかし、1992年の時点で、世界に分散して投資していれば、世界経済の成長の利益を分け合う事ができていたのです。

その意味では、資産を日本国内の預金と保険・年金に90%以上配分している日本人のポートフォリオは、まったくリスクの”分散”がされていなかったのです。

安心だからお金は全部銀行預金と考える人は、実は、危険な選択をしていたのです!

マネーリテラシーを高めるたのオススメ書籍5選

さて、資産運用の基本について、一通りの原則を説明しました。とはいえ、資産運用をやった事のない人がいきなり行動に移すのはハードルが高いかも知れません。

そんな方に向けた、マネーリテラシー、金融リテラシーを高めるためのオススメの書籍を5冊紹介したいと思います。

【お金の教育がすべて】

25歳で6000億の資金運用をした経験のあるミアン・サミ氏のベストセラー本です。日本語も堪能なサミ氏は、セミナーや講演会などを通じて日本人の金融リテラシーを高めるための活動を行ってきました。 前半は、金利やインフレとは何かといった知識に関する話や、お金持ちのマインドセットに関する話がメインですが、後半は、積立NISAの運用方法やポートフォリオの組み方など超実践的なテクニックが紹介されています。でも、安心してください。7歳から投資マインドが身につく本という副題の通り、とても平易で分かりやすく解説されています。

【難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えください!】

経済評論家であり、楽天証券経済研究所客員研究員、獨協大学経済学部特任教授を兼任する山崎元氏による初心者向けの資産運用の書籍です。資産運用の基本から具体的な運用方法のアドバイスまでわかりやすく解説されている本書は、30万部をこえるベストセラーとなりました。

【元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法】

財務省、マッキンゼーとエリート街道を歩んできた柴山氏ですが、初めて投資をして大失敗した時の話や、日米の家庭の資産運用の違いに愕然とした話、そして、ウェルスナビを設立するに至った想いなど赤裸々に綴られています。もちろん、表題の通り、投資の思考法について、世界各国のデータをもとに分かりやすく解説されています。

【ユダヤ商法】

歴史的に数多くの偉人や大富豪を生み出してきたユダヤ人。彼らの成功の源に迫ったユダヤ人ラビ(地域社会の指導者)のマーヴィン・トケイヤ―氏の名著です。ユダヤ人に何故、お金持ちや成功者が多いのか?成功するユダヤ人はどのようなマインドセットを持っているのか?実際にユダヤ人ラビの口から語られるその言葉には強い説得力と臨場感があります。在日歴の長いトケイヤ―氏は、日本文化とユダヤ文化の比較についても指摘しており、厳しくも愛のある指摘からは多くの事が学べるでしょう。

【君は1万円札をやぶれるか?~お金の洗脳を説くと収入が倍増する】

このセンセーショナルなタイトルの著書・苫米地英人氏は、カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンスの博士号を取得しており、オウム事件後に信者の脱洗脳に携わっていた事でも知られています。そんな苫米地氏は、お金は共同幻想であり、洗脳であると説きます。前半は、世界規模でお金に関する洗脳が形成された過程や、それを克服する方法が書かれており、後半は、資産運用の実践方法が紹介されています。

初めての資産運用をサポートするオススメのアプリ

最後に、あなたの資産運用をサポートするオススメのアプリを二つ紹介するので参考にして頂ければ幸いです。

【ウェルスナビ】

ウェルスナビは、世界基準の金融アルゴリズムに基づいてAIが自動で資産運用をしてくれるサービスです。運用は10万円からはじめる事ができ、2019年10月時点で預かり資産は1800億円を超えます。

ウェルスナビは、長期・積立・分散の原則に基づき顧客一人ひとりにあった最適な資産運用を提案します。資産運用をこれから始めるという方にオススメのサービスです。

【Funds】

将来、成長が見込める企業に貸付が出来るFundsは、ユーザーは1円単位から貸付を行う事ができます。運営会社であるクラウドポートが厳選した銘柄に貸付を行うため低リスクと言え、Fundsの利回りは年2%から6%と言われています。Funds でコツコツと気長に積立投資を行う事で、資産運用の感覚を掴める事でしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は、投資・資産運用のについて解説すると共に、これから資産運用を始めたいという人のための具体的な実践方法について紹介しました。

日本人は、かねてより金融リテラシーが低く投資下手だと言われてきました。先ほど述べたように、お金をタブー視して、しっかりと向き合う機会が少ない事も一因にあるのかも知れません。

しかし、お金は毎日使うものであり、重要か重要じゃないかと言われれば、間違いなく重要なものです。今回の記事が、みなさんがお金を正しく理解して、適切な資産運用をする事の助けになれば幸いです。

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Seemy編集部
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