みなさんこんにちは、今回は以外に腸内環境と健康の関係について紹介したいと思います。
最近は腸活が話題になっていますが、実は、腸内環境は様々な側面から私達の健康状態に密接な関係があることが分かっています。
今回は、腸内環境と健康の関係に加えて、いつまでも若々しく健康的でいるために腸内環境をより良い状態に保つ方法について紹介したいと思います。
腸内細菌と健康の関係
腸管内には 1000 種類,1000 兆個の腸内細菌が生息していますが、これらは、腸内に生息するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌と悪玉菌に分別されます。
悪玉菌は、脂質の過剰摂取や不規則な生活に加えて、ストレスや便秘などにより増加します。悪玉菌の増加にともなう腸内環境の悪化は、肥満や糖尿病といった生活習慣病や、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患の原因となることが数々の研究から明らかになっています。
腸内環境は様々な面から健康と密接な関係にあるので順番に紹介したいと思います。
腸内環境と肥満の関係
腸内環境の悪化と肥満の関係についても数多くの研究結果があります。
肥満マウスの腸管内では、正常のマウスに比べてFirmicutes という悪玉菌の数が増加しているという報告や、便移植実験により肥満マウスの便を正常マウスに移植すると体脂肪が増えるという研究がされている他、ビフィズス菌B-3という抗肥満作用を持つ善玉菌も発見されています。
健康的なダイエットの第一歩は腸内環境を整えることから始まると言っても過言ではありません。
腸内環境と皮膚の関係
近年、アンチエイジングの観点から腸内環境について語られることが多いですが、これにも根拠があり、数多くの研究報告があります。
東京女子医大の研究によると、慢性的便秘で乾燥皮膚を有する 20歳~ 39歳までの女性56名に対して、LB81乳酸菌を含むヨーグルト 、あるいはこれにコラーゲンペプチド(CP)とセラミド(CE)を配合したヨーグルトをそれぞれ120 mlずつ1日2回、4週間摂取させたところ、 皮膚の弾力性,乾燥の程度が改善されたと報告されています。 また、CPとCEを配合したヨーグルトを摂取した群では肌のキメ密度も改善されたという結果となりました。
化粧水や乳液による毎日のケアも大切ですが、皮膚の表面から水分を補給してもそれはあくまで対処療法的な効果しかありません。体の内側から腸内環境を整えることで、体の内側からスキンケアをしましょう。
腸内環境と高血圧の関係
血圧を上げるアンジオテンシン変換酵素(angiotensin II converting enzyme:ACE)を阻害する効果があることが知られています。 腸内細菌主要代謝産物である SCFA と血圧調節に関する報告もあります。
腸内環境は免疫機構の鍵
腸管の表面には粘膜が張っており、細菌などの侵入を防いでいます。この粘膜が障害されると各種炎症物質が体内に侵入することで様々な症状として表れます。
また、理化学研究所の研究によると、アンバランスな腸内環境は、免疫グロブリンの一種であるIgA抗体の結合力低下が引き起こすことが明らかになっています。 今後、腸内環境が全身の免疫系へ及ぼす影響を明らかにし、腸内環境の改善で自己免疫疾患の症状を緩和したり、予防する新たな治療法の開発が期待されています。
腸内環境とうつ病との以外な関係
セロトニンは、リラックス、安心感、幸福感に関与しており「幸せホルモン」と呼ばれており、名前を聞いたことのある人も多いかも知れません。
実は、このセロトニンは、腸内細菌の代謝産物がセロトニン前駆物質のもとになっています。セロトニン自体は脳で合成されますが、その前駆物質である腸管で合成されます。
うつ病の患者では過敏性腸症候群を発症する割合が大きいことから、かねてより腸内環境とメンタルヘルスの関係は指摘されていました。
腸内細菌学会は、「腸脳相関」という概念を提唱しており、腸管内の情報が神経を介して大脳に伝わり、抑うつや不安などの情動を引きおこすと言われており、今後の研究が期待されている領域です。
腸内環境を整える食材
さて、これだけ健康と密接な関係のある腸内環境ですが、どのようにして腸内環境をよりよい状態に保つことが出来るのでしょう。
腸内環境を整えるためには、ストレスをためず、しっかりと睡眠をとり健康的な生活を送ることが重要ですが、食生活を見直すことが最も効果があると言われています。
そこで腸内環境を整えるための鍵となる二つの食材を紹介しましょう。
腸管を保護する発酵食品
発酵食品は古くから健康や美容に良いとされてきました。 ヨーグルトは,栄養機能的な面と整腸作用を始めとした様々な生理機能的な面から,美容効果を発揮する食品であると考えられてきました。
厚生労働省も腸内細菌のバランスを整えるために善玉菌を含む発酵食品の摂取を推奨しています。
発酵食品に含まれる善玉菌には以下のようなものがあります。
【乳酸菌】
ヨーグルト、キムチ、ピクルス、味噌
【麹菌】
日本酒、醤油、味噌
【酵母菌】
酒類、パン、醤油、味噌
【納豆菌】
納豆
【酢酸菌】
お酢
腸内環境をよりよくするには、幅広い種類の善玉菌を増やすことが良いとされており、特定の発酵食品を取るよりかは、より多くの種類の発酵食品を取るように心がけましょう。
腸内環境を整える食物繊維
腸内環境を整えるためには食物繊維も非常に重要です。食物繊維は便を作るのに必要であり、不足すると悪玉菌の増加を誘発しまし。また、食物繊維は善玉菌のエサとなるため、腸内の善玉菌の割合を増やすのに効果があります。
しかし、日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年代には一日20gを超えていましたが、摂取量は年々低下しており、最近の報告によれば日本人の食物繊維んの平均摂取量は一日あたり14g前後と言われています。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、1日あたりの「目標量」は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上となっています。
穀類、豆類、イモ類、海藻類、キノコ類などに豊富に含まれていますが、中でも注目なのがオートミールです。オートミールは100gあたり7.5gと玄米の約3倍、白米の20倍以上の食物繊維が含まれている他、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているため、腸内環境を整えるためには最高の食材と言えます。
炭水化物をカットするダイエットをしている人は、食物繊維まで減らしがちですが、食物繊維までカットするダイエットは健康的とは言えません。ただでさえ不足しがちな傾向があるので、是非、積極的に摂取するようにしましょう。
