ヘルスケア

「おっぱいが大きくなるサプリ」は本当に効くの!?中には厚生労働省や医師会が注意喚起する危険な成分も

女性のみなさん、当然ですが、現在のご自分の胸の大きさについて悩んでいますか?もっと大きくなったら、キレイな形になったら、と考えたことがあるのではないでしょうか。

そんな時、思い浮かぶのは「豊胸」。

美容整形などの手術も有名ですが、最近は広告なんかで「豊胸サプリ」といったものを頻繁に見かけるようになりました。

果たしてこのサプリ、本当に効果はあるのでしょうか、また安全性はどうなんでしょうか。

今回はいわゆる「おっぱいが大きくなるサプリ」についてその効果の真偽を検証していきたいと思います。

胸が大きくなる仕組み

胸の構造

女性の胸は、大きな分泌腺のから出来ており、主に以下の3つの構造からなります。

  • 脂肪組織:胸の丸みや大きさを形つくる
  • クーパー靭帯:胸全体を支える
  • 乳腺:乳汁(母乳)を産生し排出する。15~20本くらい存在する。

また乳腺は、さらに3つの構造に細かく分けられます。

  • 小葉:母乳を産生する
  • 乳管:母乳が通る管
  • 乳頭:母乳を排出する場所

(参考:medical.jiji.com)

胸の成長

女性の胸は、10歳から18歳までの間に大きく成長します。

時期にも個人差がありますが、その理由は胸の成長が初潮と関係しているためです。初潮の1年以上前から徐々にふくらみ始め、初潮前後の約4年間で丸く立体的なおっぱいに成長していくのです

胸の成長というのはホルモンと密接にかかわっており、乳腺の発達には女性ホルモンが不可欠です。

また成長ホルモンなども関わっていて、思春期にストレスにさらされホルモンバランスが悪くなると胸の成長が妨げられてしまうのです。(wacol.jp)

思春期は学校生活・家庭環境・恋愛など多感な時期なためにストレスを感じやすくなっています。

胸の成長に関わるホルモン

私たちの体には多くのホルモンが存在しますが、それらがバランスを保つことで健康的できれいな体を作ります。

女性ホルモン

女性ホルモンと言われるホルモンは主に2つあります。

  • エストロゲン:別名、卵胞ホルモン。乳管の発達に必要。子宮に対して受精卵が着床しやすいように子宮の膜(子宮内膜)を厚くする。骨密度の維持や血流維持など健康を保つ。
  • プロゲステロン:別名、黄体ホルモン。小葉の発達に必要。受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整え、妊娠を助ける。体温を上昇させる。子宮内膜を体外に排出させる(生理)のを助ける。

プロラクチン

小葉にある乳腺腺胞の上皮細胞からの乳汁分泌を促進する。妊娠中に発達する。

オキシトシン

妊娠・出産時に大量に分泌される。母乳が出るのを助ける。愛情ホルモンとも呼ばれる。ストレスの軽減に役立つ。

このように様々なホルモンによって私たちの胸は成長しているのです。

巨乳と貧乳って遺伝は関係ある??

胸の大きさは、環境によるものが大きいと考えられています。ストレスや食生活によって変化するホルモンバランスがとても重要な要因になります。

ですが、最近東京大学などの研究グループがバストの大きさや生理痛の程度について関連が強い遺伝子が存在している領域を発見したという発表をしました。(nature.com )

まだ解明はなされていませんが、今後研究が進めば個々に合ったバストサイズへのアプローチが可能になるかもしれません。

サプリでおっぱいが大きくなる効果は認められていない

基本的にサプリメントの有効成分は女性ホルモン(主にエストロゲン)と構造が類似しているために、「女性ホルモンと同じようなはたらきをする」と宣伝されています。

しかし、それらの成分を含んでいても、胸が大きくなったという科学的根拠は残念ながら見つかりませんでした

サプリメントのホームーページでは「女子力UPが期待できる」といったあいまいな表現をしていたり、モデルさんや誰かが飲んでいるといった信憑性の低い口コミなどの情報がほとんどです。

また、 「ツイッターやFacebookで話題のバストアップサプリ!」、「『プエラリア』で満足できなかった女性」、「94%が2カップ以上UPを実感」、「体験者1万人以上の声が証明!」、「10日間でまさかの2カップUP!」 と謳い、広告を展開していたサプリメントで、消費者庁の措置命令を受けているものもあるので注意が必要です。

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第7条第1項の規定に基づく消費者庁の措置命令

サプリに含まれる成分の数々。厚生労働省や日本医師会も注意喚起をする成分も

おっぱいが大きくなると宣伝されているサプリメントには単体成分だったり、いくつかの成分が配合されていたりと様々なものがありますが、中には、私たちの体に害を及ぼす成分が含まれているものもあります。

また、食品から摂取する分には問題なくても、サプリメントによる過剰摂取によって健康被害が報告されているものもあります。

プエラリア・ミリフィカ

マメ科のクズと同属の多年生のつる植物に含まれているプエラリア・ミリフィカには、デオキシミロエストロール、ミロエストロールといった成分があり、女性ホルモンと同様の働きをすると言われています。

ですが、これが入っているサプリメントは非常に危険です。

プエラリア・ミリフィカについては、日本医師会や厚生労働省が注意喚起を出しているほどの成分なのです。

実際に、プエラリア・ミリフィカに関しては、全国の消費生活センターなどに2012年から2017年までの5年間で209件もの危害情報が寄せられています。

主な症状は腹痛・嘔吐・下痢、発疹・蕁麻疹、月経不順・不正出血などです。

収穫時期や場所によって成分の含有量にばらつきがあったり、過剰摂取になってしまったりなどでホルモンバランスが崩れることが原因だと考えられています。

諸外国でもプエラリア・ミリフィカの安全性は確認できていないことが多く、韓国では食品としての利用が禁止、ヨーロッパでは安全性評価は十分に行われていない、アメリカでも販売している事業者の安全性の判断は適当でないとされています(mhiw.go.jp)。

プエラリア・ミリフィカを含む製品は、成分量が不安定であり、デオキシミロエストロール、ミロエストロールを多量に摂取することにより多大な危害を引き起こす可能性があります。

日本医師会

日本でも、 プエラリア・ミリフィカに対する規制は動き出しており、厚生労働省ホームページでも、情報提供を行っているので、誇大広告に惑わされず、正しい情報で判断するようにしてください。

【厚生労働省】
健康食品の正しい利用法」
「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」

また、プエラリア・ミリフィカを含む健康食品やサプリメントを摂取し体調に異常を感じた場合には、直ちに摂取を止めて、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。そして、摂取している健康食品やサプリメントを伝えましょう。

また消費者庁では、消費者ホットライン(全国共通電話番号 188)を開設しています。健康被害など不安に思う事は、すぐに相談するようにしましょう。

日本医師会「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の使用にご注意を!

<大豆イソフラボン>

こちらもよく聞きますね。

大豆イソフラボンは大豆、特に大豆胚芽に多く含まれています。エストロゲンと構図相が似ていることから植物エストロゲンとも呼ばれます。

大豆食品自体は、納豆豆腐など日本人の昔ながらの食生活にかかせないものが多くあり、これらを多く摂取したグループは少ない摂取グループと比較して乳がんのリスクが減少したという報告もあります。

しかし大豆イソフラボンのみの摂取ではがんの予防効果とがん発症の両方の可能性が語られており、ヒトでの有効性・安全性は確率されていません(fsc.go.jp)。

大豆イソフラボンは豆乳や納豆、きな粉などで食べ物で補うとよいと思います。

<ワイルドヤム>

ワイルドヤムとはメキシコヤマノイモやヤマノイモ、ナガイモなどのヤマノイモ属植物の根や抽出エキスのことです。

ワイルドヤムの成分であるジオスゲニンは女性ホルモンなどの前駆体として機能があるとされていましたが、科学的根拠は弱いです。

さらに、大量摂取すると嘔吐を引き起こすとされていたり、安全性が確立していないことから妊婦や授乳婦には使用しないようにといわれています。

また、別の成分のジオスシンは有毒成分と言われており溶血作用をもつとされています。

日本ではジネンジョと間違えてヤマノイモ属の植物を食べて嘔吐・下痢などの食中毒の事例が報告されています。

サプリメントからはジオスゲニンだけでなく、ジオスシンも検出されていて、含有量もバラバラなので、過剰摂取による副作用には注意が必要です(repo.kyoto-wu.ac.jp)。

<エラスチン>

エラスチンとは不溶性の繊維状タンパク質です。

ゴムのような性質を持ち、結合組織タンパク質と呼ばれ、皮膚など弾力のある組織に存在し乳房の血管周囲にも存在しています。

ですが、エラスチンは年齢と共に減少していきます。皮膚がたるんだり、胸が垂れてきたりする原因のひとつです。

コラーゲンと同様タンパク質ですので、経口で摂取してもそれがそのまま胸に行くというわけではなく、消化によって細かいペプチドやアミノ酸まで分化されてしまいます。

乳がんのリスクも!?

先ほども述べた通り、サプリメントの有効成分は「女性ホルモンと同じようなはたらきをする」とされています。

乳がんの発生はエストロゲンが深く関わっています。

体内にエストロゲンが多かったり、エストロゲンを加えるピル(経口避妊薬)を服用していたり、閉経後にホルモン補充療法を受けている人で乳がんが発生するリスクが高くなります。

また、乳がんは日本のがん死亡者数で第5位になっています(2017年)

女性のがんとして甘く考えてはいけないがんだということがわかると思います。

サプリによる過剰摂取がホルモンバランスを崩し、乳がんの危険性も高まるなんて恐ろしいですよね。

まとめ

胸がどーんと急に大きくなるなんてことは、現実にはあり得ないことです。

ホルモンというのは私たちの体を非常に細かく調節してくれています。ホルモンが少量作られるだけで体全体の状態が変わってしまいます

サプリメントなどで簡単に調節できる代物ではないようですね。結局、大事なのはホルモンバランスなので、食生活・睡眠・運動などをまずは見直してみましょう。

また、最近は胸を垂れるのを防ぐ筋トレマッサージナイトブラなども話題になっているので、そういった方法から試してみるのはいいかもしれません。

いずれにせよ、先ほど述べたように「おっぱいが大きくなる」と謳うサプリメントには、誇大広告も多く、日本医師会、厚生労働省、消費者庁も注意喚起をしているのでくれぐれも注意してくださいね。

【参考サイト】

日本医師会「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の使用にご注意を!

国民生活センター「健康食品【消費者庁の措置命令に基づく公示】」

厚生労働省「健康食品の正しい利用法」

内閣府「健康食品に関する情報」

今後もし、おっぱいを大きくする方法が科学的に証明されたら、いち早く皆さんにお伝えできればと思います!

ABOUT ME
レナ
レナ
seemyライターのレナです。都内の薬学部に通う傍ら、健康系のコンテンツを正しく、分かりやすく伝えるため、執筆活動に励んでいます。